昨日の初日は、平日にもかかわらず60名近い人に来場いただきました。図のような出展者の持ち寄った景品(アンケートにお答えいただくとその場のくじ引きで当たります)も好評で、たくさんの方にアンケートをお答え頂きました。
木の仕事展IN東海詳しい案内(カタログ)は、こちらにあります。PDFファイルです。
昨日の初日は、平日にもかかわらず60名近い人に来場いただきました。図のような出展者の持ち寄った景品(アンケートにお答えいただくとその場のくじ引きで当たります)も好評で、たくさんの方にアンケートをお答え頂きました。
木の仕事展IN東海詳しい案内(カタログ)は、こちらにあります。PDFファイルです。
今日は搬入でした。今回の展示では、鳴り物関係担当という事にもなっております。そのからみでは平面バッフルスピーカー(パイオニア PAX12-A)、これを復活させた300B シングル・パワーアンプで鳴らします。設営がてら視聴してましたが、良い感じです。他の出展者にも、初めて聴く平面バッフルは好評でした。あと、スワンもどきも、今回初めて聴いていただきます。
金欠の時に売り払ったセトロン・300Bの代わりを買う。大阪日本橋に行けば、安い中国製が手に入ると聞いたが、さすがに大阪まで出る暇がない。それと交通費も考えると、ネット通販で中国製以外では一番安かったEH 300Bと言う物にした。ロシア製でステアータイト(磁器)ベースのもの。
着いた物は画像のようなもの。ロシア製の真空管は、以前にも何種類か求めたことがあったが、いずれもガラスが厚く中の電極もしっかりと作ってあって印象は良い。EHというのは何だと思っていたが、Electro Harmonixという楽器とその周辺機器のメーカー(商社?)のようだ。真空管は、おもにギターアンプ用のものをロシアで作って自社ブランドで販売している。それにしてもパッケージとベースに印刷された人面はいかにも趣味が悪い。まさか、これはブランド名になっているハルモニア(ギリシャ神話の調和を司る女神だそうな)のつもりだろうか?
手もとにノーブランドの中国製(20年ほど前に購入)があるが、それと比べるとガラスの厚みがずいぶん違う。それとステアタイトのベースもあってかなり重い。細かいことになるが、売ってしまったセトロンの300Bはフィラメントを釣り竿というかジブクレーンのミニチュアのようなもので釣ってあった。本家のウエスタン・エレクトリックの物もそうらしい。いま手元にあるロシア製と中国製はスプリングバネで釣ってある。この真空管の前身である300Aが作られたのが1933年とある(75YEARS OF WESTERN ELECTRIC TUBE MANUFACTURING / Bernard magers)。この頃は、コイルのバネより針金の張力そのものを利用したこうした方式のほうが信頼性が高かったのか、はてまた安上がりだったのか良く分からない。
こんなことで特性が大きく変わるとも思えないが、見た目は釣竿式のほうが精密感というか手が込んでいるぞ感があって良い。高橋由一の絵で、こうして池に釣竿をのばしたものがあって、それがだらりとした風景画に凛とした緊張感を与えていたなあとか思い出す。真空管アンプなんて、見た目と自己満足感がほとんどすべてなので、こうした要素は大きい。
その他、電極をガラス管内部に保持するためのマイカの形状、ゲッターの飛ばし方、ベースの材質・ピンの有無など目についた形状の相違をまとめておく。なお、本家本元のウエスタンの物は所有したことがないので分からない。セトロンのものは、忠実なコピーというかそもそもOEM生産していたものなのか、これもよく分からない。それに対して、ノーブランド中国製はコピー商品だが面倒な部分は適当に間に合わせましたというまがい物(今の中国製は知りません)、ロシア製は電極の構造が同じで特性さえ合っていればいいのだろう、あとはこちらのやり方で行くぜという感じのコピー(というより同等品か)。それはそれで潔い。ロシアン・ライカもそんなところかなあ。あれだってライカのパチモンにはちがいないけど、堂々とZorkiとかFEDとか自分のブランドつけてるから、まあ、ある意味すごいなと思います。
セトロン | ノーブランド中国製 | EH ロシア製 | |
上部マイカ | 三角形、3枚止め | 丸型、2枚止め | 丸型(2重)、鋸歯状 |
フィラメント支持 | 釣り竿状 | コイルスプリング | コイルスプリング |
ゲッター | 1カ所 | 1カ所 | 2カ所 |
ベース | ベークライト(?) | ベークライト(?) | ステアタイト |
バヨネット・ピン | あり | あり | なし |
電極の向き | バラバラ | バラバラ | 揃えようとしている? |
手元にある300Bシングルアンプ2台のうち、1台は修理したものと同様初段のプレート抵抗が2Wの金属皮膜抵抗を使ってあった。これも、交換しておきたいと思ったが、もう手持ちの3W〜5Wの51KΩの酸金抵抗がない。何かのついでに名古屋の大須か、大阪の日本橋にでもよって買えばよいし、今ならネット通販でも買える。送料はかかるが、大須に出るだけでも電車代だけで1,480円もかかるから、かえって安い。
冷静に考えればそうなるが、一度思いつくと落ち着かない。ちょうど次の仕事に必要な金物(配線孔キャップ)もあるし、それも大須の電気屋街ならあるだろうし・・・と理由をこじつけて出かけた。少し寄り道をして買ってきたものは画像のとおり。
木の仕事の会の東海地方のメンバーの集まる展示会を開きます。東海地方の木工界のリーダーである宮本良平さんや、齋田一幸さんなど11名が参加。わたしも出展いたします。今回は、喫茶コーナー担当として、平面バッフル・スピーカーを久しぶりに聴いてもらおうかとも考えています。LPプレイヤーも持ち出そうかな。楽しくゆっくりできる展示会になると思います。
詳しい案内(カタログ)は、こちらにあります。PDFファイルです。
木工するのに気持ちのよい季節というのは、そう長くない。今がちょうどその時期なのだが、こうした時に限ってのように事務的な作業に追われる。これから2件のいわゆる箱物の少し複雑な物件の図面を仕上げなくてはならない。今は、こうした作業もCADを使って行うので、またしてもパソコンに向かうことになる。そうした作業は夜にして、昼間は普通に仕事をすれば良いというのは無理だ。もうずいぶん前にわかった。体も頭も、もはや若くない。結局遅れ遅れになって、お客さんに叱られることになる。
加えて、これは仕事とはいえないのだが、以前作ってもう10年以上も使ってもらっている真空管アンプの修理依頼がきた。じつは私のホームページでも飛び抜けてアクセスが多いのが、仕事の関係ではなくこのアンプの制作記事(300Bシングル・パワーアンプ
)なのだ。先日大阪に出向いた折に、現品を見せてもらった。確かに音が出ない。一応裏蓋を開けて配線のチェックくらいはしたが、テスターすらない状況では診断は無理なので、真空管だけ抜いて本体は送ってもらうことにした。手で持って帰るにはこのアンプはあまりに重たい。
ヤマト運輸の宅急便で届いたのが10月3日、仕事が忙しかったのでそのまま梱包もほどかずにいた。8日(土)になって、梱包を開く。裏蓋を開けようとすると、あきらかに凹んでいる。それに四隅の溶接の内2カ所にひどいクラックが入っている。フタを取ると、一番大きな電解コンデンサーのハンダが一カ所外れている。これは相応の高さから落としたとしか考えられない。念のために送り主に、もしかして発送前に落としたりしたかと尋ねると、そんなことはしてないという。先週私がチェックした時も無事であった。
ヤマトに一応連絡して、現状の確認と事故の調査をお願いする。まあ、丁重に対応してくれはしたが、到着後5日も経っているので調査も保証も難しいとの予想通りの返答ではあった。それにワレモノ
のシールは貼ってあったが、梱包がエアーキャップ(プチプチ)を巻いて、ガムテープでとめただけという仕事柄、信じがたいものであったので、あまり強くは出られないなとも思っていた。一番怖いのは、トランス類の断線やピッチの割れであったが、簡単な導通のチェックなど行うと、それは大丈夫そうであった。
気を取り直して落下による損傷のチェックも兼ねて修理に入る。
前に聞いていた症状によると、雑音が少しずつ目立ちはじめ、だんだん音量も小さくなり、とうとうまともに音が出なくなったとの事。 メーターでの300Bのカソード電流の値は60mAほどで正常値だから、初段周りが原因かと思って、交換の球をおくったが症状は改善せず云々。あらためてチェックすると同様の症状が再現する。300Bのカソード電流が正常に流れているということは、電源も含めた出力段まわりは正常だということなので、初段まわりが原因ということで問題はしぼりやすい。まずは常道に従い直流電位をチェックすると、初段のプレート電圧が異常に低い。これではまともに動作するはずがない。スクリーングリッドやカソードの電圧や、プレート負荷抵抗の前のデカップリングの電圧はほぼ正常値の範囲である。プレート抵抗が設計値よりずいぶん大きくなっていることになる。そこで、このアンプを実装したときに頭をよぎったためらいを思い出した。それについては後述する。
このプレート抵抗の設計値は51KΩである。この抵抗を取り外して測定してみると230KΩもあった。この抵抗には通常の動作で約1.1Wの負荷がかかることになる。だから、回路図にはちゃんと3Wの抵抗と自分で指定してある。そこに2Wの金属被膜抵抗を使っているのだ。いまならちゃんと5Wクラスの酸金(酸化金属被膜抵抗)を使うところだが、当時はプレート抵抗のような信号負荷となる所に音の悪い
酸金抵抗など使うことに抵抗があったのだ。それで、2倍のマージンもとれないがカーボン抵抗と違って金属被膜抵抗は丈夫だと聞くし、リード線も太く放熱もよさそうだしと、勝手に理屈をつけて、これを着けたのだ。その時、やはり多少はためらいがあったために、今実際に故障が生じて、その事を思い出した。逆によくも10年近くもったものだと思うが、ついに焼き付いて急激に抵抗値が増えていったのだろう。
この抵抗を手持ちの3Wの酸金抵抗に交換する。落下の際はずれたであろう電解コンデンサーを付け直す。それと少し気になる事のあった出力段のカソードバイパスコンデンサーをついでに交換する。嘘のように正常な直流電位に戻る。もう発振機やオシロスコープを持ち出すのも面倒なので、遊んでいるロクハンのユニットをつないで裸で鳴らしてみる。パソコンに吸い出したモノラル録音の森山良子が若い声できれいに歌う。それが心地良い。念のため一晩通電させてから、あらためて直流電位だけチェックして音出ししても大丈夫であった。このアンプは今手もとに2台残っているのだが、肝心の出力菅をお金がないときにネットオークションで売り払ってしまい音を出せる状態ではない。このアンプを設計して作った20年近く前には考えられなかったように老眼が進み、体力も落ちた。測ってはいないが聴力だって相応に落ちて、若者なら聞こえる高周波なんてとっくに聞こえないはずだぜ。そうした老人の耳には、今あらためて聞くこのナローレンジの直熱3極管無帰還のアンプの音が優しいのかなと思う。中国製でもロシア製でもなんでも良いから、300Bをもう一度揃えてまた鳴らしてみようと思った。
自分で作った物だが、これはいいアンプだと思った。それは、よくネットで見かける音がいい
とか言う読まされる方が恥ずかしいような自画自賛ではない。10年使い続けて、私の部品実装の間違いで生じた故障以外は、球も含めて極めて正常に動作している事、シャーシにかなりのダメージを受けるような強い落下事故にもかかわらず基本部品に障害がない事、今回のような不具合が生じても回路も部品配置も単純で、チェックや部品交換が容易な事、などと言うことだ。ちなみに身の回りの電化製品、とくにオーディオとかビジュアルと称するジャンルの物で10年以上不満なく使えているものがどれだけあるだろう。そうした意味でもいいものであったと言うことは出来ると思う。ちなみに、このアンプは20年近く前では、特注のシャーシも含めて部品代だけで10万円ほどで揃えられた。その実費だけ頂いて何台か作って使ってもらっているのだが、タムラのトランスもずいぶん値段が上がって、今なら倍の価格でも部品を揃えるのは難しいと思う。
全くなんの保証もしませんし、責任も取りませんが、作ってみる価値はあるとかなと思います。個人でお使いになるなら、回路や配線、シャーシ図面もコピーしてもらってけっこうです。ただし、まったくの道楽でやっていることなので、質問の受付やアドバイスを行うつもりもありません。もとの記事で特定を避けた初段の管種ですが、ウエスタンの91B型アンプの構成の流れをくむもので、あとは回路図をよくご覧になれば分かると思います。3極管シングル・無帰還という構成なら、よほどデタラメな配線や部品配置でもしない限り、オシロや発振器といった基本的な測定機を持たなくても、テスターだけで音は出ると思います。ただし、相応に高圧電流も流れますし、発熱もあります。音が悪くなるとか言った迷信でヒューズを省いたりするのは危険です。配線に音が良いというこれまた迷信のことさら太い線材は使わない方が無難です。配線は、細めのスズメッキの専用の配線材を使いましょう。見た目も綺麗だし、ハンダ付け不良によるガサゴソといった嫌な雑音を発生させる可能性が少ない、という意味では音も良いはずです。配線材はスズメッキの上から軽く熱してハンダを染みこませます。その上で部品のリード線も同じですが、ラグ端子に一回だけからげた上でハンダを流せば、私のようにハンダ付けが下手くそでも失敗は少ないと思います。素人の私が、同じく素人の皆さんにアドバイスが出来るとしたら、それくらいです。繰り返しになりますが、万が一の事故や怪我に関しては一切の責任はとりません。
核のない世界へ!に行ってきました。
服部良一衆議院議員を迎えての学習会に行ってきました。社民党の脱原発アクションプログラムの概要を直接聴けたのは良い機会でした。戻ってから、あらためてこのアクションプログラムをさっと一読しましたが、良くまとまって説得力もあると思いました。今の社民党で良くこれだけの物が作れたな、というのがむしろ正直な感想です。それだけ脱原発ということに力を注いでいるのでしょう。それに、もうそれくらいでないと、この党の存在価値はないとも思います。
このプログラムの中で具体的に揚げられた数字で、目をひかれたのが東電管内での埋蔵電力
(正確にはどう表現すべきか知りません)、つまり自家発電が500万KW、他社受電が700万KWあるということです。原発がないと、日本の産業がなりたたなくなるとか、また計画停電などをせざるをえないという電力会社とか産業界の恫喝に対しては、政策立案の立場からは具体的な数字を揚げることがやはり必要です。
出席者は20人ほど、ほとんどが私より年長の人たちで、良一さんと学生運動をともにした京大出身者がメインという感じで、懐かしい顔もチラホラ。それはそれで、ずっと社会に対する問題意識を持ち続けているという事で、たいへん立派なことだと思います。しかし、話を聞いていると3月11日の震災以降、実際に東北の地に赴いたのは服部議員と私を除いて誰もいないのではないかと感じました。東電福島第一原電の事故も、東日本大震災の中で考えるとすればという事ですが、どこか、発想というか問題意識のあり方に私が見てきた被災地の現実との乖離を感じてしまいます。それに被災地のボランティアやこちらでの反原発の集会に集まった若い人たちが、スマートフォン片手にツイーターやSNSを使って軽やかに情報を発信し交換しあっている姿と、今日集まったおじさん、おばさん達とは絶望的に接点がないように感じました。それは単にジェネレイション・ギャップという言葉であらわされる以上のものがあるように思われます。それは、その双方にとって残念なことです。
3月、一緒に石巻に行った60代の杉山裕次郎さんは、スマートフォンの使い手ですがツイーターはやっていません。私は、スマートフォンを持っていないしツイーターもしていませんし、これからもやらないと思います。それでも現地で活動している中で、ごく自然に単独で来ていた若い人たち何人かと活動と寝食をともにするようになっていました。今日も、京都での集会を企画して提案している人がその報告をしていました。いいなと思いました。3月の石巻には、原発の状況が非常に危険で、なおかつ今被災地に行くのはかえって迷惑だというおかしなキャンペーンがなされる中でも、たくさんの若い人がボランティアで来ていました。たいへん頼もしいし、これからの社会を動かしていくのもそうした若い人たちであるのは間違いありません。具体的に体を動かすことで、自分たちおじさん達もそうした流の中に入ることは可能です。もし私たちに伝えるべき経験というものがあるなら、そうして自分の体を動かすことでしか出来ないでしょう。
あるお客さんに聞いたのですが、その人のお父さんは退職した警察官だそうです。それで愛知県の退職した警察官が集まって福島の汚染地域の治安維持にあたる部隊を作ったそうです。もう年だから勝手にさせておくと、その人は言ってましたが、かっこいいなと思いました。東電や国の対応を批判して自分や家族の身を守るために活動するというのは、当然の権利ですし、そのために反原発の声をもっとあげるべきだとも思います。ですが今も東北では被曝の恐怖の中で人が暮らしているし、若い人たちがボランティアで赴いています。これを言うと誤解をまねくのですが、私のように50代も後半以上のおじさん、おばさん達は自分たちが放射線の盾になる、せめて若い人たちだけに危ない目はさせないというくらいの気概がないと、本当に世の中はかわらないように思います。
このブログで案内していました核のない世界へ!という服部良一さんの講演会ですが、ご本人の到着が当初の終了時間の午後4時ころになるそうです。私も、今主催者に別件で連絡をとったところ知らされたような状態です。遅れても講演はされますし、予定の2時からはビデオなど使った学習会などを企画しているそうですが、終了は5時半くらいにはなってしまうとの事です。
主催者側からの通知もあると思いますが、もしこのブログを見て参加を検討されている人がおられましたら、申し訳ありませんでした。あらためて御一考ください。