エレーヌ・グリモーの弾くブラームスの協奏曲を聞く

ブラームスは、友達いなかったのかなあ。いやまあ、放っといてくれお前の知ったことかという事なんだけど、でも友達がいれば、こんな大仰なクドクドした自分語りみたいな音楽は作らないんじゃないかと思ったりします。

小品で、ああスッキリしたこんな曲の書き方もするんだなあと思うと、民謡を元にした歌曲だったり、他の人の主題を使った変奏曲だったりします。そういう場合は、妙な自意識もなく肩の力を抜けるんでしょうか?それにしても『シューマンの主題による変奏曲』(作品9)とか聞いていると、この人、本当に師匠で恩人の奥さん(クララ・シューマン)のことが好きだったんだなあと感じます。

一昨年の名古屋伏見のリサイタルに行きましたが、それはそれは綺麗なひとでした。

一昨年の名古屋伏見のリサイタルに行きましたが、それはそれは綺麗なひとでした。

また京都漫遊、天神さんから三月書房へ

昨日は、京都へ納品でした。お施主さんは前に触れた西陣にお住まいです(京都・西陣)。この日は、約束の9時ちょうどくらいに到着して、小卓を納め代わりに使って頂いていた卓袱台などを積んで、10時くらいまで雑談。その後、車を置かせてもらったまま、近くの北野天満宮に行きました。25日は、いわゆる天神さんの市の立つ日です。私は、こうしたガラクタ市のような催しが大好きで、京都にいた頃は、21日の東寺の弘法さん、25日の天神さんには、休みが重なる時は必ずのように出向きました。大阪に移ってからは21日、22日の四天王寺の市がそれに代わりました。

買ってしまったのは、砥石と真鍮の曲尺に壊れた錠前。都合5000円でした。あと、ちゃんと使える鍵つきの古い錠前とか、日本画の岩絵具のけっこう上等そうなものとか、錫の入れ子のかわいい箱とかに目が行きましたが我慢しました。またぞろ砥石なんか買って、お前あと何十年木工やるつもりかという事ですが、ひと目見て、これはイケると反応してしまったのでしかたありません。

天神さんで買った、砥石、曲尺、錠前

天神さんで買った、砥石、曲尺、錠前

お施主さんにお昼をごちそうになり、もう一度市に戻ろうかと迷いましたが、この日は別のところに寄ることにしました。寺町二条の三月書房です。この本屋さんにも京都にいた頃はよく通いました。この本屋さんのことは、また別に書きたいと思います。

ここで、1時間ほど立ち読みをして、買った本は下のようなもの。見事にジャンルはバラバラですが、これをわずか二間間口の街の小さな本屋が置いているのもすごいでしょう。いずれも定価の50〜60%オフでした。3冊で5,000円でお釣りをもらえました。結局、あわせて10,000円の散財ですが、50過ぎのおっさんが一日遊んでもらったのだから、安いものだと思うことにします。まあ、低収入の上にこうした発想が、貧乏に拍車をかけているのも分かっているのですがね。

三月書房で買った本。池田三四郎、秋山清、アドルノ

三月書房で買った本。池田三四郎、秋山清、アドルノ

夜に所用があったので早めに切り上げて帰路につきましたが、途中三条通りで見かけたシュールとも言える光景。耳なし芳一の御札の話を連想します。学校をなにか悪いものから守っているようにも見えます。やっている人がおそらく意識していない分、余計に面白いのだと思います。

確か渋滞情報の観測点のひとつになっていたと四宮バス停前 GXR A12 28MM GIMPでレタッチ

確か渋滞情報の観測点のひとつになっていた四ノ宮バス停前
GXR A12 28MM
GIMPでレタッチ

オイル塗装

小卓(センターテーブル)の塗装2回目。私は、特に指定のない限り家庭用の家具・木工品の塗装はドイツ・クライデツァイト社のオイルを使っています。下塗りにベーシッククリアオイル、仕上げにグロスクリアオイルというものを使い、途中サンディングを挟んで最低3回塗り重ねます。ドイツの非石油系の自然塗料というと他にアウロリボスの2社のものがあります。安全性とか信頼性という面では、この3社に関しては大きな差はないように思います。主成分は3社ともアマニ油ですが、硬化剤の成分などに違いがあるようです。アウロとリボスは、ともに柑橘類の成分のようなものを配合しているようです。特有の匂いがあります。硬化するとその匂いは消えるのですが、作業中・乾燥中のその匂いが気になります。私は長らくアウロ社のオイルを使っていましたが、その匂いが次第に文字通り鼻につくようになってやめました。クライデツァイト社のものは、硬化剤にテレピン(松脂)系のものを使っているようです。テレピンの匂いは、美術室のそれを思い出して嫌いでないし、オイル自体の粘度が他の2社より低く、扱いやすいことも気に入っている理由です。強度とか撥水性という意味では、いずれもそれなりに、としか言えません。ウレタン塗装とか拭漆とは比ぶべくもないと割り切るしかありません。

仕事と考えると、この程度のオイル塗装だけで、時間を潰すわけにはいきません。並行して、次の仕事の木取りをしていますが、拭き取りが前提のオイル塗装の場合、ウレタン塗装のように埃にシビアでないのも、我々小規模木工所向きと言えます。

ウォールナット+チェリーのテーブルににオイル塗装を施す

ウォールナット+チェリーのテーブルににオイル塗装を施す

頂き物が届きました

今日は、頂き物が二つ届きました。それぞれ別の方からです。

工藤直子さんの本と、有田・谷井農園のミカンです。本は、最近工藤さんの詩を読んだと伝えたところ、一緒に読もうと速攻で送ってもらいました。ミカンは年末の生麩のお礼ということで、倍返しになってしまっているのではと思います。正月をやり直したい気分です。

もうひとつ、自分で買ったものも今日、届いたのですが、それは商品を間違って送ってきて、すぐに返品。こちらは少々水をさされました。

炭紙に包まれたミカンというのも粋です

炭紙に包まれたミカンというのも粋です

日曜日くらい休まないと疲れが取れなくなったなあ

土日も休まず仕事をしたせいか疲れがたまる。ただし、機械作業がメインではないためか身体の芯まで冷えて、夜、横になっても体が振動を覚えているような、いなや疲れではない。もともと寝付きの良くない人間が、早く眠ることが出来る。

鶏レバーが安かったので、300gほど買って醤油で煮付ける。頂いた味醂がおいしく、何を作っても前より上等に出来る気がする。


珍しく群れずに単独行動の鴨が1羽。クリックして拡大表示してもらうと、中央水面にいます。しかし、このカメラとレンズユニットは本当によく写ります。

GXR A12 28mm

GXR A12 28mm

水組 その2

組んでみました。今作っている小卓の端ばめと脚になります。これくらいなら、「水」の字と言ってもこじつけがましくないかな。

水組

水組

これが小卓のパーツです。

サイドテーブルのパーツ

サイドテーブルのパーツ

水組という組手を使った仕事をしています

今やっている仕事では、水組という組手を使っています。下の画像は、去年試しに組んでみたものです。実は、この組手どうやって組むのか図録や写真で見ても分かりませんでした。それで試しにやってみたのです。水組の呼称は、組手を角を視線の中心に見ると漢字の「水」の字に見えるという所から来ているそうです。

サンプルで作った水組

サンプルで作った水組

水組を使って見ようと思ったのは、意匠的な面もあってのことですが、サンプルを作ってみて分かったのですが、強度という面でも優れた点があります。具体的には、通常のたとえば7枚組よりも建築で言う降伏ヒンジという側面で大きな利点があるように思いますが、それは別の機会にします。

ホゾの部分は、治具を作って丸鋸盤で切りましたが、後の作業はひたすら鑿などの道具を使った手作業になります。手作業と言っても鉋かけのように全身を使ったものではありません。それでも続けていると身体がほてってきます。一見、動かしているのは腕だけのように思えますが、実はよく言われる腰をいれた状態で全身の筋肉を適度に使っているのかもしれません。

刻み終えた水組の部材

刻み終えた水組の部材

ちなみに、この組手は下のように互いに45°の状態を保ったまま角からずらすように組んでいきます。まあ、実際にやってみないと分かりづらいと思います。

水組の組み方

水組の組み方

寒九に木取り

チェリーの荒木取りを終える。これで明日からは刻みに入ることが出来る。製材の良し悪しで、こうした木取りの時間や歩留まりは随分と違ってくる。普段、当たり前に使っている国内の製材所の材料のありがたさが、こうして「現地挽き」のものを扱うとよく分かる。

今日は寒くなると言われていたが、日差しも良く昼にはむしろ暖かいくらいになる。木工機械の鋳物と風きりで熱を奪われ)(かじかんだ体をほぐしに自転車で出かける。私には目と耳と皮膚に優しい良い場所がある。

GXR A12 50mm

GXR A12 50mm

GXR A12 50mm

GXR A12 50mm

GXR A12 50mm

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