14日には、戦争に反対し、原発を廃止する候補と政党に投票します

私のように、50代も後半になると今の政治が経済がというよりも、自分たちは世代としてどんな日本や世界を若い人達や子供たちに残すのかという事に関心が行きます。私たちが、徴兵されて戦争に駆り出されることなく、飢えることもなく、また福島の東電事故はありましたが、核廃棄物や廃炉原発の負担や恐怖にとりあえず直面せずにすんだ事に、私は保守の政治家も含めて大人だった人たちに感謝しています。私は、日本がまた軍隊を海外に出す、そこで若い兵隊に人殺しをさせ、また殺されるような国にしたくはありません。これからもずっと日本が世界に冠たる平和国家として憲法にいう名誉ある地位を保ち続けて欲しいと思います。若い人達が、政治や権力により駆り出されて武器を持って海の外にいくようなことを望みません。50基以上の老朽廃炉原発を抱え、行き場のない核廃棄物の処理に右往左往して、住民同士を喧嘩させ、あげく過疎の地方に札ビンタで押し付けるような今以上に野蛮な国になってほしくはありません。

今、自民党とそのコバンザメのような醜悪で無定見な公明党に選挙で勝たせてしまったら、これから4年間、フリーハンドでやりたい放題な権限を与えることになります。取り返しのつかない事になりかねません。

私は、少選挙区(三重3区)は共産党の候補に、比例区は社民党に投票します。もしそのことで日本がおかしくな事になったら、その責任の一端は当然負います。

自民党や公明党が好きで支持する人は仕方がない。でも、そこに投票した事を覚えておいて下さい。棄権は一番無責任で卑怯です。もし、長生き出来たら、あの時自分は○○党に入れたとちゃんと言いましょう。せめて、昭和のはじめに大人だったジジ、ババのように、時代が・・・とか、みんなが・・・とか言って、200万人もの若い人を殺させた事に言い逃れする無責任な人間にならないようにしましょう。

「山」の写真

山の写真というと、どうしても決まったパターンになってしまいます。とくに私のようにいつも28ミリ相当の広角単焦点レンズのカメラ(RICOH GXR A12 28mm)を持って行くと、下から幹に沿って見上げた絵か、ひいて広く林地を捉えた絵か。ですから、もうこのブログでの山の写真も飽きられているだろうなとは自覚しております。

そこで、先日撮ってきた目を下に向けた何枚か。

澱みに溜まった落ち葉。ナラ、クリ、ブナ、

澱みに溜まった落ち葉。ナラ、クリ、ブナ、他 RICOH GXR A12 28mm

木はそれぞれ枝をすり合うことはあっても、普通は単独で立っています。それが落ち葉になるとミズナラ、クリ、ブナ、など色々な樹種の葉が仲良く重なり混じり合っているというのは、なんだか見ていて楽しくなりませんか?

瀬に重なってたまる落ち葉

瀬に重なってたまる落ち葉。登山靴が写り込んでいるのはご愛嬌。 RICOH GXR A12 28mm

こちらも見ていて楽しい瀬に重なりあった落ち葉。山には童の神さまがいて、落ち葉をクレープかナンか、あるいはお皿替わりに重ねたりしてママゴト遊びをしている。そんなふうにも見えます。

なぜかここだけで見ることが出来た霜柱

なぜかここだけで見ることが出来た霜柱。最初、季節はずれのギンリョウソウかと思った。 RICOH GXR A12 28mm

ここだけに見られたきれいな霜柱。これも何かのイタズラの跡か仕舞い忘れたおもちゃのようです。

木の仕事展IN東海2014 まとめ3 栃厨子

栃厨子

栃厨子

今回展示した栃厨子とちのずしは、すべて古材および手持ちの材で作りました。その内訳は以下のようなものです。

天板
30年ほど前京都に住んでいた頃、大型ゴミの中から見つけた板
側板
解体された昭和初期の大阪の民家の床の間の書院の板
戸・背板
数年前に岐阜の櫻井銘木さんで別の仕事のため買った板の余り
地板
工房齋の齋田さんを通して頂いた古い桐材

天板

この板については、以前書きました(「トチの古材 その1 削り出してみた」)。今回展示した厨子も、そもそも去年制作して展示するつもりで段取りしたのでした。もともと27ミリあった板が、去年の段階でムラ取りと厚み出しをして22ミリになっていました。そのまま1年置いてもほとんど捻れも反りも生じず、枯れ切っていることもありますが、いわゆる性の良い板であったことが分かります。

栃厨子の天板。30年ほど保管した板。端嵌めを施す。

栃厨子の天板。30年ほど保管した板。端嵌めを施す。

昨年のあの記事を書いた段階では、木裏に残った蟻桟の溝を彫り直して文机か座卓の天板にしようと考えていたのですが、もとの構想通り厨子の天板としました。それにあたって蟻桟の溝を埋め木することも考えたのですが、溝を完全に消えるまで削り出して15ミリ厚ほどにするのが見た目も美しい。それでもったいない、申し訳ないと思いつつ断行しました。結局、27→22→15ミリと元の材の半分近くをプレーナー屑、鉋屑としてしまったことになります。ただし、長さ方向、幅方向にはほぼ元の大きさを使いきっています。これに、留の端嵌めを付けます。端嵌めは、反り止め・木口の割れ止めとしての効果は高いし、蟻桟のように不用な出っ張りを生じないという大きな利点があります。ただし、もとの板の収縮との関係で微妙な問題が残ります。私は、板の幅が1尺(約30センチ)程度までのものか、ほぼ枯れ切った板の場合に限り使っています。端嵌めは、戸板でも使っていますが、これは少々問題がありました。これは別に書きます。

樹種についての疑問は、今回も残りました。微妙なひねりや反りを取り、傷を消すために鉋をかけました。同時に、半世紀以上も経った枯れ切ったトチ(側板)、櫻井さんの10年程のトチ(扉、背板)も削ります。トチはもともと柔らかい材ですが、これが枯れて古材となると固く締まってきます。櫻井さんの材でもかなり固くなっています。ところが、この少なくとも私の手元だけで30年ほども枯らした板は、しっとりとした柔らかさ、みずみずしさのようなものさえ保持しています。一鉋かけると適度に乾燥をかけた良質の針葉樹のような質感があります。樹種の特性なのか、あるいはトチだとすると個体差によるのか、やはりよくわかりません。そのあたり、同業者の人ならば、画像の鉋屑を見れば察してもらえるでしょう。

赤っぽい屑が天板。白い屑が戸板の栃

赤っぽい屑が天板。白い屑が戸板の栃

上が天板の屑、逆目を抑えるため裏を効かせているため縮緬状の屑になる。下は戸板のトチ。

上が天板の屑、逆目を抑えるため裏を効かせているので縮緬状の屑になる。下は戸板のトチ。

今回も、櫻井銘木の専務とそのご子息が来場下さいました。私は、滅多と櫻井さんで材料を買うことのない(つまり櫻井さんの材を使うような仕事のない)チンピラ木工屋ですが、この扉と背板は、御社で頂いたものです。と言うと、そうですねと覚えてくれています。それで、天板の樹種について上で書いたような疑問をあげた上で尋ねると、目を見るとトチだと思うが、確かに疑問の点もその通りで、断言しかねるとの事でした。櫻井さんに聞いて分からないのなら、これはもう諦めるしかありません。ちなみに櫻井専務は、もっと以前に買った霧島杉のことも覚えていらっしゃって何に使われましたかときかれた事がありました。さすがにプロです。

側板

側板。一旦割って接ぎ直している。

側板。一旦割って接ぎ直している。

この板は、大阪の古い民家(昭和最初期)を解体する時に頂いてきたものです。床の間の書院の側に使われていました。かなりひどく捻れ反っていました。これを幅方向と厚み方向にそれぞれ2分割(木口から見ると「田」の字に)して、それぞれ歪みを取って、幅方向に再度接ぎ直しました。もともと39ミリ程の板が、12ミリの板2枚となりました。歩留まりという面では、こんなものかと思います。

戸板

戸板など見付部分。戸板の上下に端嵌めを施す。

戸板など見付部分。戸板の上下に端嵌めを施す。

戸板というかそれを含む見附部分全体と背板は、6年前にある仕事のため櫻井銘木さんから購入した板のあまりを使っています。もともとかなりの量のトチの鏡板が必要で、櫻井さんに相談した所、6分か7分ほどに挽いた良い木味の綺麗な板をお持ちで、それを譲ってもらいました。この部分は、仕上がりが9ミリ程になりました。縦使いしています。戸板としてそのまま使うのは薄すぎるのと、反り止め・収縮止めを兼ねて上下に15ミリほどの厚みの端嵌めを入れています。框を組むように左右に同じトチで裏打ちしています。左右の戸はこすれる程ぎりぎりの寸法に削り合わせたのですが、ギャラリーに1日置いたら1ミリ弱程度の隙間が空いてしまいました。反りは押されられているのですが、端嵌めでは6年以上も枯らした板でも収縮を抑えることは出来ないのかと思いました。

丁番

サクラの透かし彫の丁番

サクラの透かし彫の丁番

丁番などの金物ですが、市販のものに正絹磨きをかけたり色々試してみたのですが、結局以前、若い金工作家に作ってもらったものを今回も採用しました。もう15年以上も前に、彼がまだ大阪の工芸高校に在学中に作ってもらったものです。こちらの厨子に使っています。細かいサクラの図案を、糸鋸で抜いた見事なものです。ただ、強度的な問題があって使う機会がなかったのです。

パドモアとルイス、シューベルト・『冬の旅』のコンサートに行ってきました

今日は仕事を早めに切り上げ、雑種犬タローの散歩も済ませて、名古屋伏見の電気文化会館・ザ・コンサートホールに行ってきました。マーク・パドモア(テノール)とポール・ルイス(ピアノ)によるシューベルトの『冬の旅』。イケメン二人のコンサートで、女性客がいつもより多かったか?席は6割ほどの埋まり方。ここでの声楽のコンサートでは、こんなものと思います。

イケメン二人のコンサート。

イケメン二人のコンサート。

同じ組み合わせでのCDは、あまりぱっとしない印象だったのですが、実際の演奏はずっといい。冒頭の

Frend bin ich eingezogen,
Frend zieh’ ich wieder aus.

)余所者(よそものとしてやってきて、
出てく今も、やはり余所者。

で、もうすっかり殺伐とした出口や希望の見えない世界に引き込まれる。『冬の旅』なんて長ったらしい歌曲集は、もうずっとながら聴きしかしてない。だから曲も歌詞もあらかた諳んじてはいるが、あらためてこうして目の前でじっくり聴かされるとこんなに寒々とした暗い世界だったんだ。これをかつてのハンス・ホッターのような重たいバスで歌われたらいやだろうな。

Ein Tränen, meine Tränen,
Und seid ihr gar so lau,
Daß ihr erstart zu Eise
Wie kühler Morgentau?

涙、わたしの涙、
生ぬるすぎて、
凍ってしまう。
朝露のように

コンサートの最後、「辻音楽師」の最終節でパドモアさん、1歩前に進み出て、声を落として切々と歌う。

Wunderlicher Alter,
Soll ich mit dir geh’n?
Willst zu mein Liedern
Deine Leier dreh’n?

ジジイ、
一緒に行ってもいいか?
オレの歌に合わせて、
伴奏してくれや。

以上、いづれもヴィルヘルム・ミュラーの詩を拙訳

何度も拍手に呼び出されるが、いわゆるアンコールはなし。うん、この後に何を歌っても白けるだけだ。

今年最後の「山」

結局、11月の紅葉の時季には「山」に行けませんでした。展示会も終わり、色々な片付けも終わった今日、いつもの山に行ってきました。私は、冬には山には行かないことにしています。そうすると5月の連休までは雪に閉ざされた山には入れません。

展示会前の追い込み時期から風邪気味で、鼻もつまり、終わってからは左の肩が固まって上がらない様な状態になっていました。それでも、山に入ると足取りは軽く、鼻づまりも取れ、肩の痛みもなくなるから不思議なものです。気分的な問題と、それに穏やかな有酸素運動を相応の時間継続することになるのが良いのかもしれません。

もう、もちろん紅葉の季節はとっくに過ぎています。しかし、今日のような穏やかな晴天の日、冬枯れの明るい森の中を赤茶けた落葉をサクサク踏みしめながらの山歩きは、私は好きです。他の人間に出くわさないのもいい。結局、今日は誰にも会いませんでした。県境の峠の手前で、日差しのあたる沢で体が冷え切る前まで休憩して、そのまま戻ることにしました。別にどこそこの頂上を目指すとかいう山行でもありません。雪に埋もれる前にあのブナ、このナラを今年の最後に見たかった。

冬枯れの「山」

冬枯れの「山」 RICOH GXR A12 28mm

倒木も環境と景色を構成する

倒木も環境と景色を構成する  RICOH GXR A12 28mm


さあ、君のことは道を迷わす魔物のように思っていたが本来道標の役を負っていてくれてたのだ。ひとつ残った枝にはまだ、今年も葉をつけていたようだが、既に幹には山の死神がはびこってしまっている。根玉の辺りは虫に食われ始めている。

雷に打たれたブナはまだ立っている

雷に打たれたブナはまだ立っている RICOH GXR A12 28mm

立ち枯れた、弱った木に着くサルノコシカケ類

立ち枯れた、弱った木に着くサルノコシカケ類。森の命の循環は容赦無い。RICOH GXR A12 28mm


こちらの君は、まだ倒れたまま枝を宙に張り出している。いつまで頑張る。どこまでツッパる。それならば、こちらも君が萎れて朽ちて土に臥すまでずっと見届けたいと思うが、どうもこちらが先にヘタリそうだ。

ミズナラ

ミズナラ RICOH GXR A12 28mm

倒れた主を見守るように、近くに高く通直にのびたサワグルミが2本。ごちらもかなりの老兵のようだ。

倒れたミズナラの近くのサワグルミ

倒れたミズナラの近くのサワグルミ RICOH GXR A12 28mm

更に隣にもう1本。

更に隣にもう1本。 RICOH GXR A12 28mm

木の仕事展IN東海 まとめ2 色漆

今回は色漆を使った仕事をいくつか見て頂く予定でした。メインの朱塗りの大皿が、最後の乾燥の時に温度管理に失敗して黒く濁った様な色合いになり断念しました。

それで、ナラの刳り物の木口を布着せして黒漆を塗ったものと、乾漆もどきの2つをひっそりと出してみました。それぞれの経過は、こちらの記事にあります。

木口に布着せ黒漆を施したナラの刳り物。ほかは拭漆。

木口に布着せ黒漆を施したナラの刳り物。ほかは拭漆。

ナラの繰り物は、昨年のこの展示会で刳り物のサンプルとしてワークショップの所に置きました。それで四方反り鉋で、体験的に削ってもらったりしたものです。それを今年は仕上げてきました。干割れの入っていた木口に布着せをして黒漆を塗ります。刷毛塗りではどうしてもゴミと塗りムラが取れずに研いで誤魔化したのですが、同じ出展者で漆塗りの作品を展示していた南秀明さんに見てもらったところ、そうしたやり方もありとのお墨付きを頂きました。こうして木口を漆で固めると言うやり方は、先日の第66回正倉院展の赤漆履箱を見て大いに得心いたしました。今後、錆だけとか布着せまでやるとかその都度考えて、こうした器などの小物の他にも机の天板や箱物の角などで試していきたいと思います。

外側に朱漆を塗った乾漆の技法の器。

外側に朱漆を塗った乾漆の技法の器。

乾漆もどきの方は、先日の中根さんの作品を拝見した後では、乾漆と称するのも憚られるほどのものですが、これも南さんによると、ひとつの漆芸のあり方と考えれば良いと言われ、その気になってしまいました。

木の仕事展IN東海2014 まとめ1 ワークショップ

今回のワークショップでは、ノミと鋸を使ってホゾ穴とホゾを作ってもらい、それを組み上げます。予め突いておいた溝に塩ビシートを2枚差し込んで、そこに写真などを挟み込んでフォトフレームにするというものでした。難易度の高い作業に思えますが、墨の付け方と、鑿と鋸の使い方の基本さえ抑えれば誰でも出来きます。それでも、3日間で合計9人の方に参加してもらったのですが、作業の仕方や仕上がりに皆さんのそれぞれの個性が色濃くでて面白かったです。写真を撮れなかった人もいて申しわけないのですが、顔出しを了承してもらった人は、その満足気な充実した良い表情を見てもらうためにも、お顔を含めて掲載させて頂きます。また、それぞれお使いの材の葉をいれてもらっています。

完成したホゾ組みのフォトフレームに、サクラの紅葉を挟んで

30分で出来ると言いながら、2時間やっていただいた最初の人。でも良い出来で楽しんでもらいました。チェリー。

学校に通いながら仕事の修行もされている頑張り屋さん。ナラで強い印象の仕上がりでした。

学校に通いながら仕事の修行もされている頑張り屋さん。ナラで強い印象の仕上がりでした。

わざわざ東京から来て頂いたお客さま。カバで、江戸っ子風の勢のある仕事。講師は出展者の一人・若森さん。

わざわざ東京から来て頂いたお客さま。カバで、江戸っ子風の勢のある仕事。講師は出展者の一人・若森さん。

唯一の男性参加者で、プロを目指す。さすがにお上手でした。

唯一の男性参加者で、プロを目指す。さすがにお上手でした。ナラ。

出展者の一人・南部さんのお嬢さん。去年のショップに都合で参加出来ず一年越しに参加。門前の小僧の喩えの通り丁寧で見事な出来ばえ。クリ。

お二人とも大学の先生です。一人はわざわざ岡山から。二人そろうと普通のうるさいオバさんになる不思議。でも作業に入ると集中力はすごい・・・ナラとチェリー

出来ばえの良さは南部さんのお嬢さんと双璧の看護師さん。硬いナラに開けた穴と胴突き切断の綺麗さはお見事でした。

出来ばえの良さは南部さんのお嬢さんと双璧の看護師さん。硬いナラに開けた穴と胴突き切断の綺麗さはお見事でした。

上の人の3分の鑿で開けた穴です。

上の人の3分(9ミリ)の鑿で開けた穴と手鋸で刻んだホゾです。