映画・『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』を見てきました

今日は、朝から名古屋に映画を見に行ってきました。タローと散歩に出る朝5時には、まだ霙でしたがやがて雪になるとの予報だったし、空は黒くて低いし・・・。あとそれと仕事が少し煮詰まり気味だったので、ちょうど見たかった映画と見るべきだと思っていた映画がかかっていたので出かけました。行ったのは名駅のシネマスコーレで、見てきたのは『ファルージャ』と、『ある精肉店のはなし』の2本。入れ替えですが、朝から続けての上映で、料金も割引で2,500円で見ることが出来ました。今日は、初日ということで、『ファルージャ』を撮った桑名出身の伊藤めぐみ監督の舞台挨拶がありました。それも思い立って出かけた理由のひとつでしたが、やはり今日行って良かったです。

『ファルージャ』は、10年前、アメリカ占領下のイラク・ファルージャで武装勢力により拉致され、自衛隊撤退要求の人質にされた3人の日本人の今の姿を追っています。あの3人に浴びせられたおぞましいバッシングからもう10年が経ったのかと思います。抑えきれない思いを持って海外の危険な地域に身を置いた自国民を救おうとしない政府、役人、政治家、それに便乗して拉致された若い人やその家族に説教をたれる評論家、コメンテーターとかいう無責任な人種、さらにそれに乗じて弱い立場に置かれた人間を罵倒することしか自分を表現できないようなネット中毒者ども。今、思い返しても、そのおぞましさに本当に体が震えてきます。特に、女性の高遠菜穂子さんとまだ10代であった今井紀明さんへのバッシングがひどかったように記憶してます。私は、あれ以来「自己責任」という言葉を使ったことはありません。

そのひどい迫害を受けたお二人が、取材に応じて、今の活動を紹介して当時のことも語ってくれるのですから、やはり見なくてはいけない。高遠さんは、初志を貫いて今もイラクへの支援活動を続けています。映像は、拉致されたファルージャでの先天性異常の子供たちへのケアなど地道できめ細かい活動を伝えています。一方で、ファルージャの医師が拉致の問題を持ちだして「ファルージャの人間は皆いい人間だ。拉致は外部から来た人間の仕業だ」とかいい加減な事を言ったのに対して、「残念ながら、彼らはファルージャの人間だった。話の内容が私も居たファルージャのことだった」と事実は事実として、誤魔化しません。

今井さんは、帰国後のバッシングの中で、地元で罵声を浴びせられたり殴られたこともあったそうです。それで、引きこもってしまった時期もあったそうですが、もうゼロから始めるしかないと思いブログで、メールアドレスを公表して、自分を批判する人間に実際に会って話をしたりもしたとのことでした。そうした経験を生かして、今は大阪で不登校の若者を支援するNPOを立ち上げて活動しています。

舞台挨拶をする伊藤めぐみ監督

舞台挨拶をする伊藤めぐみ監督

はじめに書いたように、今日は監督の舞台挨拶がありました。それもあってか会場はほぼ満席で補助椅子も出されていました。監督の伊藤めぐみさんは三重県桑名市出身の28才の女性です。10年前、高校生だった当時に遠いイラクでの戦争とそれに自衛隊を派兵することに納得がいかずデモに参加したそうです。当時、高遠さんの講演も聞いていました。戦争や高遠さんに対するバッシングにずっと納得のいかない気持ちを持ち続けていました。今は、テレビ局でADの仕事をしているそうですが、映像作品を作りたいと思った時に、やはりあの事件をと考えたそうです。

映画では、その伊藤さんが10年前にデモに際してアピールする姿も収められています。ハッキリ思い出せないのですが、あれは私も参加していた名古屋のデモだったのかなと思いました。あの頃は、自衛隊の海外派兵という小泉の暴挙が許せずに久しぶりにデモに何度か加わりました。当時の思いは、私のホームページに今も残しています。

戦争反対!派兵反対!選挙に行き、意志表示をしましょう!

この記事を選挙前の数日間、ホームページのトップに置いていました。そんなことくらいしかやれなかったのですがね。映画を見終わって、高遠さんも、今井さんも、そしてこの映画の監督の伊藤さんも、10年前に感じた疑問をずっと持ち続けて今も活動を続けています。本当に立派なことです。

『ある精肉店のはなし』も素敵な、ある面で画期的とも思えるいい映画です。これは記事をあらためます。

高遠菜穂子さんのお名前の表記が間違っていました。申し訳ありません。それとリンク先も間違っていたので、あらためて貼り直します。各映画のページで、予告編も見られます。(2月9日)


シネマスコーレ

『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』

『ある精肉店のはなし いのちを食べて いのちは生きる』