古本市

一昨日の青空古本市で買った2冊。いずれも100円

青空古本市で買った2冊

青空古本市で買った2冊

懐石全書 春夏秋冬 1 一月二月三月 淡交社

懐石は茶道の精神を持って料理されるのですから、まず心入れのある手料理であらねばなりません。山海の珍味や、季節はずれのものをご馳走するのではなく、四季折々の旬の新鮮な材料を茶事の趣向によって取り合わせ、演出し、その素材を充分生かした調理に心がけるのです。それは煮すぎず、焼きすぎず、あまり手を加えすぎず、できるだけ自然のままに仕立て、熱いものは熱く、冷たいものは冷たく、かおりと熱を大事にして、つくりたてのほやほやをこぎれいに盛り合わせて客にすすめます。これが懐石ではないでしょうか。

あまり手を加えすぎずに反応している気もしますが、別に懐石云々と構えずに普段の料理の心がけとしては、間違っていなかったかなあと嬉しくなります。それでもこの本に書かれているような、あとひと手間のような料理を作りたいなあと思います。100円で随分楽しめそうです。

エンツェンスベルガー 国際大移動 野村修訳 晶文社
エンツェンスベルガー著・野村修訳という私の定番のような本ですが、これは持っていませんでした。

エンツェンスベルガーの『スペインの短い夏』という本は、内戦下の共和国側スペインの指導者でアナーキストのドゥルティの短い生涯のドキュメントです。私にとっては、歴史書あるいはドキュメントというのはかくあるべきというお手本です。ベンヤミンの「歴史の概念について」という論考を、実際のドキュメントとして形にするとこうなるのか。実際に、エンツェンスベルガーもこのベンヤミンの論考を意識して書いているのだと思います。原著は、1992年の発行となっていますが、今のヨーロッパのレイシズムやネオナチの台頭や、日本のヘイトスピーチを考える一助にしたいと思います。

やはり50円とか、100円で買ってもらった本たちも、新しい持ち主の手で楽しんでもらっているかなあとか考えていると、これも楽しくなります。