一応仕事をしながら、色漆でも遊んでいます。季節柄放っておいても乾くので楽です。もっともこちらは仕事に取り入れたいと思っているので、もっぱら遊びというわけでもありません。
さて、いいかっこしていてもしょうがないので、恥をさらします。下の画像が、布着せ→錆付け→錆固め、その間研ぎを入れる「本堅地」という事をやってみて、その上に1回黒の色漆を塗った状態です。
これを先週、名古屋の小谷漆店に行った折に持参して見てもらいました。そこでダメだしされた中身はだいたい以下の通り
- まず、下地が平滑に研げていない。
- ゴミは、漆自体、刷毛、定盤、部屋、室、あらゆる所から混入・付着する。それなりに準備が必要。
- 刷毛で塗上げるのは、上記準備とともに相応の熟練が必要
- これでも何回か研いで塗り重ねて、最後は呂色磨きで仕上げればなんとかサマになるじゃないか
それで、その場でクリスタル砥石(600と1500番)などを購入。3回ほど研ぎと塗りを繰り返した状態が下です。最後1500のクリスタル砥石を当てています。まだ下地の繊維の模様が部分的に薄く現れていたり、刷毛ムラのようなものが残っていたりします。下地(下拵え)で横着したものは、後の作業では取り返すことは出来ないというのは、どんな仕事でも一緒ですね。作例のような什器の木口の保護、端ばめの代わりという実用上なら、この程度でも良いのかもしれませんが、やはりどうせならもう少し上手になりたい。意匠としても取り入れ制作の幅を広げたいという最初の意図からいっても、もう少し頑張りたいと思っています。