朝の雑種犬・タローを連れての堤防沿いの散歩では、見かける顔ぶれはたいてい一緒ですが、この四五日ほどは知らない人もチラホラ見かけるようになりました。春のサクラの季節もそうした事があります。春は花につられてという事なんでしょうが、すると今ごろは彼岸花に誘われてのことでしょうか。 進歩のない私にとっては、彼岸花はやはり山口誓子の句と、灰谷健次郎さんの『太陽の子』を連想させます。繰り返しても仕方がないので、よろしければ古いこちらの記事をご覧ください。→「曼珠沙華(彼岸花)」
災害や、色々悲しいことも個々にはあるにしても、先人の知恵と努力のおかげで戦争も飢饉もこの国では避けてこれました。そのため死に花
とも呼ばれたこの花の禁忌なイメージが薄れてきたのかなと思います。先入観なしに眺めれば、眼に痛いような赤が堤防のそこかしこに点描されたように並ぶ様は艶やかなものです。ただ、私にとってはこの花は『太陽の子』の沖縄戦の苛烈な体験により精神を病み自死してしまうふうちゃん
のお父さんや、風車を手に泣いていたおじさんの事を連想させてしまうのです。
それと、タローを連れてこの川沿いの堤防や河川敷を歩くようになって5年ほどになりますが、これまで見ることのなかった白い彼岸花が少なくとも3カ所で咲いています。これも何らかの変異なんでしょうが冷夏と降雨の気象の影響なのでしょうか?