アリーナ・イブラギモヴァ バッハ無伴奏ソナタ・パルティータ全曲演奏

23日に、アリーナ・イブラギモヴァさんのコンサートに行ってきました。バッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ・パルティータの全曲演奏というもの。時間をおいて1部、2部に分かれて演奏になりますが、通して聴きました。

今回は、さすがに途中ウトウトしてしまうかと心配でしたが、杞憂でした。若々しい躍動感あふれる演奏で、これも耳に馴染んだバッハの曲が、こんなにもすばらしい響きとリズムで体と神経を震わせてくれるんだと思いながら時間が過ぎていきました。まだ若いイブラギモヴァさんは、これから10年もすると大きなロシアのおばちゃんになるだろうなというふくよかな体型ですが、まだウエストもちゃんとあります。それで、時に膝を折るように曲げ上体をかがめ舞うように全身を使って演奏します。それがなんとも艶かしい。それに曲のダイナミックな要素を視覚からも感じることが出来るのは、ラジオではなくて実際の演奏を目の当たりすることの大きなメリットです。クラシカルな音楽の演奏家といってもやはり芸人なんだから、それが当たり前なんだと思います。

それと先々週聴いた「冬の旅」とは対極の世界かもしれませんが、こうした後付も含めた標題やらイワレのない音楽はいいですね。妙な先入観や薀蓄、押し付けがましい世界観に束縛されることなく音やリズムを楽しめます。

イブラギモヴァさんリサイタルのフライヤー