木取りなどは機械作業が中心となり、端材やプレーナー屑などが大量に出る。狭い工房に貯めておくと収拾がつかなくなり危険でもある。端材は、この季節薪ストーブ用に引き取り手には困らない。先日も、3月の木工展の打ち合わせにまどりの井上前代表のお宅兼事務所にお邪魔した際に引き取ってもらった。ストーブ用に長さをある程度揃えたり、縛ったり梱包したりはそこそこ手間だが、産廃にされることを考えれば余程良い。自分で使えれば一番良いのだが、紺屋の白袴のたとえのように、いまだにアラジンのブルーフレーム他を使っている。
プレーナー屑は郊外の牧場に持っていく。汚れた敷き藁に混ぜて、堆肥の材料になる。牧場ではこうしたプレーナー屑やおが屑を購入しているようで、こちらも歓迎される。口蹄疫の頃はさすがに近づけなかったが、今は行くたびに牛舎を覗いてみる。なんだか珍しい生き物が来たぞと思うのか、そもそも好奇心旺盛なのか牛たちが寄ってくる。少なくとも敵だとは思われていないと嬉しくなる。大きな顔に手を伸ばすと、それでも最初はビビったように首を逸らすが、すぐに慣れる。少々乱暴なくらいに撫でたり小突いたりして遊ぶ。
草を食べる生き物というのは、概して大きな体をしているが、皆目が優しくていいな。少しだけ気持ちが落ち着く。つい目にしてしまったあの中東の火付け強盗人殺しの山賊の澱んだ忌まわしい目が、いまだに私を苛み続ける。