名古屋駅前のシネマスコーレシネマテークで、クロード・ランズマン監督のSHOAH ショア
全4部と他2作品が上映されます。4月18日(土)から5月1日(金)まで。(スコーレテークの上映スケジュールと解説のページ)
ショア
は、もう30年前の映画だったのですね。私は、これを劇場で1回、その後NHKで放映された時に1回見ました。
600万人のユダヤ人がナチによって絶滅収容所で虐殺された。その事は、謂わば史実として頭にあっただけで、その600万人とひとくくりにされてしまう人間、1人ひとりに生活があって、家族があって、友人がいて、それぞれ夢や生活設計があって、日々生きていたんだという事実になかなか思いがいたりません。よく言われる「人を1人殺せば殺人者で、1万人殺せば英雄」のたとえも、数の力で逆に私たちの想像力が麻痺させられてしまう事を示しているんだと思います。そんな当たり前のことを、この映画では具体的な証言によって私たちの目前に突きつけてきました。恐ろしい、おぞましい事だったんだ。そして、一方でそうした殺戮をそれこそ粛々と
仕事としてこなして、恥じることなく生き延びた人間がいる。アイヒマンだけではないのだ。
この6本のそれぞれ長編の映画を、あらためて見ようとすると、上映スケジュールだけで3日かかってしまいます。連休前の追い込みの厳しい時期にあたりますが、まだ見ていない『ソビブル』と『不正義の果て』は最低見ます。あと、日本を殺戮者の国にする
集団的自衛権の法制化が進む中で、30年たって、『ショア』を見てどう感じるのか、やはり見たいと思います。