私の友人のお母様が、畑で作られたものです。もう90歳ちかいお年だそうですが、三重県との境にほど近い山間部で、普段はお一人で田畑を耕して暮らしているそうです。小柄ですが、日に焼けた肌がピンと張って動きも軽やかでお元気そうです。
頂いたイチゴは、ご覧の通り形や大きさはマチマチですが、いずれもヘタの根元まで熟して赤い。味も濃厚で、芳醇な香りも楽しめます。イチゴというのは、こんなに贅沢で美味しいものだったのだ。ちょうどスーパーの安売りで買った根元の白いイチゴもありました。まあ、これもイチゴには違いないし、これはこれで美味しく頂くています。比べるようなものではないですね。
お母さんを見ていると百姓というのは、人間のあるべき姿のひとつのように思います。毎日生きものを相手にして、季節、寒暖、日照、降水、など外の世界に対して常に五感を働かせて、経験と知恵をフルに動員して働く。しかも、それで自分の口にするものの基本は、自分で作っている。その大変さを知らずに勝手に言っているだけなんですが、街の年寄り相手に語られる生きがい
、趣味
とか、健康
、認知症予防
とかとは違うリアリィティを持ちながら生きていると感じます。私も、60も半ばを過ぎたら、機械を使って車でデリバリーをするような仕事はやめますが、手の感覚と自分の知力と体力に合わせた仕事を続けていきたいと思います。