宮本さん考案の手押し鉋ブレード研ぎジグを作ってみた

月内に、テーブルを15台収めなくてはなりません。色々あって、手持ちのナラを使う事にしました。それだけでは足らないので、柾目のナラを1立米ほど手配したのですが、これが硬い。今さら返品して手配し直すわけにもいかず使うしかない。年末のドタバタで、現品を確認せずにいた自分が悪い。手押し鉋をかけていると、すぐに切れ止んで、定盤の上でバタついてきます。交換してもすぐ切れ止むだろうし、研ぎに出したりすると、手待ちになってしまいます。宮本良平さん考案の、手押し鉋刃(ブレード)の研ぎ用のジグが大変優れもので役に立つと、木の仕事展IN東海2015の出展者の一人から聞いていたので、試してみた。

宮本良平さん考案の手押し鉋ブレード研磨ジグ

宮本良平さん考案の手押し鉋ブレード研磨ジグ。手前のものは、ジョインター用の押さえのつもりだったが、こちらは簡単にはいかない・・・

ほとんど、宮本さん製作のもののままだが、確かに便利です。記事の中で、宮本さんは勘所として2枚の刃先を平行にする事をあげていましたが、私の場合、2枚の刃の高さがほとんど同じに揃えられていて楽でした。(旧式の2枚刃鉋です。)単純に置くだけです。ジグの刃を寝かす部分の角度をキチンと合わせることで、グラインダーで中をすくように荒研ぎされた2枚の刃の、刃先と鎬の4本の線が、ひとつの平面に平行に並ぶ事になります。これを、画像のようにアラカンサス砥石で、縦横と慎重に研ぐことで上目摺り的に刃先を整える事が出来ます。宮本さんは、ダイヤモンド砥石を使うと書かれていますが、私の持っているダイヤモンド砥石は、平面が出ていないので、こうした用途では使えません。それでも、一組の刃物で3回ほどは、実用上差支えのない程度には研げそうです。

油砥石で研ぐ。この後、縦に研ぎ、さらに裏を整える。

油砥石で研ぐ。この後、縦に研ぎ、さらに裏を整える。

ちなみに、このジグの台の部分は、この今仕事で使っているナラの端材を利用しているのですが、木ねじ用の下穴を開けるキリが、途中で折れてしまいました。10年ほど前に、ブビンガでやって以来の事です。もちろん、こんな材にコースレッドという商品名の柔いタッピングネジは通用しません。5.1ミリの木ねじを慎重に下穴を開けて止めてあります。そういえば、ブビンガの加工では、12ミリシャンクのルータービットがねじ切れたし、9ミリとか12ミリの角のみのキリも何本か折りました。あれは、木材加工の感覚からはずれていたと思います。

折れた5ミリの下穴キリ。「石ナラ」とはよく言ったものです。

折れた5ミリの下穴キリ。「石ナラ」とはよく言ったものです。