朝、墓参りに行ったあと第68回正倉院展に行ってきました。今年も会場の国立博物館に向かう前にならまち
商店街にある刃物屋・菊一文字に寄ります。これもここ数年の恒例のようになっています。店にいた女将さんにご主人のことを尋ねると今年の5月に亡くなったとのことでした。88歳だったそうです。昨年の正倉院展の時にお邪魔した折には元気な姿を拝見していたのですが、そのすぐあとの12月に圧迫骨折で入院、予後悪くそのまま亡くなられたそうです。常連のお客さんも多く、店を閉めるわけにもいかないので、今は一人で店を守っているとおっしゃっていました。
こうした小さな専門店を応援したい気持ちもあって、寄るたびに何か買っています。亡くなったご主人に薦められて購入した銅のおろし金などはたいへん重宝していて今は毎日のように使っています。言われた通りプラスチックのまがい物と、これでおろした大根は別物です。今回も2分幅の三角刀を買いました。
今回の展示では、これまで見たこともなかったような銅に鍍金の鈴のようなものが多数展示されていました。蓮華の形、ウリやクチナシの実の形などいずれも小さくかわいらしいもので、金工をしている人が見ればさそ面白かろうと思います。木工屋的に面白かったのは月並みですが、楩楠箱と、檜八角長机などですが、これはまた次回にします。