さる21日、京都東寺の終い弘法で買ってしまったものです。
変わった形の面取り鉋です。テキ屋のオヤジは、違う幅の面を調整なしで取るための道具だとかいい加減な事を言ってましたが、戻って仔細に観察すると違うようです。下の定規の真ん中の薬研状のものの角度が60°ほどになっています。定規の左右を使い分けて薬研状に削りだすための道具でしょうか?
鉢は、ラーメン用とのことでしたが、ラーメンは食べないので煮物用にするつもり。泰青庵という岐阜の土岐の陶房だそうです。息子さんがロクロをまわし、その奥さんとお母様が絵付け担当とか。図案化された唐草模様(?)が、おっさんには少し可愛らしすぎるかとも思いますが、最近、こうした染付の磁器が好きです。もうひとつの皿は、若いお兄さんが一人で販売しておりました。名刺を頂いたのですが紛失してしまいました。
当日頂いた説明書きが出てきました。この手前の皿は、菅原顕悟さんの粉引きの器
というものでした。
永遠に待てとふごとくうつくしき林檎きらきら匂ふばかりぞ
「はい」と言ひ「いいえ」と言へるたゆたひのほのかなるゆれにゆれし椎の葉
きみがいま大気のやうに在ることを告げてま青き聖夜をとぢぬ
水原紫苑さんの『客人』のなかの「聖夜」と題する3首。随分と尖ったややこしい歌を詠む人だなあと思いましたが、今読み返すとそうでもないですね。とても素敵な恋の歌です。それに、こうした言葉遊びのようなある種の耽美主義は好きです。そういうひねった要素のない韻文なんて、なんかの標語の類にすぎないように思います。水原さんは、テレビでもたまに見かけるようになりましたが、彼女、和服の全然似合わない人というか、衣紋も整ってなくて変な着こなしのように思います。どこかでプライベートなショットもありましたが、普段着(?)の洋服もダサい!1959年生まれとのことで、もう、ほぼ同世代と言ってもいいと思いますが、クラスの中でも少し浮いていた文学少女が、そのまま小さなオバちゃんになったような雰囲気でいいですね。