講座の開かれている老人ホームまでは、正味13キロほどで、自転車でタラタラ走って小1時間おおむね50分ほどの距離になります。今日の帰り道は地元から来ている人に教わって旧東海道を通りました。往路に使った国道1号線と違って走りやすく快適だ。もちろん車ではなくて自転車での話です。昔の街道は、曲がりくねって遠回りをしているように感じます。あれは、地形の微妙な凹凸の間をなぞるように丘を避け沢を巻いているからだと思います。自分の足で歩く、また馬を曳き荷車を押して歩くような場合、坂の登り降りが何より辛い。雨の日の水たまりや水没は最悪だったことでしょう。多少は遠まわりであっても、出来る限り平坦な道がありがたい。昔の街道というのは、そうして何十年、何百年の時間をかけて、あるいは試行錯誤を繰り返しながら作られてきたものなんだろうな。
自転車でゆくと、あるいは徒歩の場合よりも道の勾配をベダルにかかる負荷として繊細に感じることができます。先人の開いた道のありがたさを実感できます。逆に、今の「道路」を車に煽られながら走ると、それがいかに車中心・車本位の生身の人間に優しくないシロモノか良く分かります。
さて、ここをたとえば200年前、お伊勢参りの人が歩いていたのだと思うと愉快です。これから少しづつ横道にもそれて遊んでみたいと思っています。