テレビボードの納品

昨日、無事京都のお宅へ納品出来ました。上手く生活感も演出してもらって撮影させてもらいました。部屋に合わせた家具なので、テレビボードもセンターテーブルも単独で工房で見るよりもいい感じです。

納品の終わったテレビボードとセンターテーブル

納品の終わったテレビボードとセンターテーブル

京都は、霙混じりの空模様でしたし、今日が法事ということもあって寄り道なしで帰るつもりでしたが、お施主さんお勧めの下鴨高木町の美玉屋の「黒みつだんご」買って、河井寛次郎記念館に寄りました。記念館では、寛次郎作の犬張り子のお菓子入れが見たかった。本当にそれだけ見たさで得心して、いつもの一筆箋を買って帰りました。念願の上七軒の日栄堂のみたらし団子も、三度目の正直で食べることが出来たし、気分的にも満腹でした。

河井寛次郎作の犬張り子のお菓子入れ

河井寛次郎作の犬張り子のお菓子入れ

オイル塗装

小卓(センターテーブル)の塗装2回目。私は、特に指定のない限り家庭用の家具・木工品の塗装はドイツ・クライデツァイト社のオイルを使っています。下塗りにベーシッククリアオイル、仕上げにグロスクリアオイルというものを使い、途中サンディングを挟んで最低3回塗り重ねます。ドイツの非石油系の自然塗料というと他にアウロリボスの2社のものがあります。安全性とか信頼性という面では、この3社に関しては大きな差はないように思います。主成分は3社ともアマニ油ですが、硬化剤の成分などに違いがあるようです。アウロとリボスは、ともに柑橘類の成分のようなものを配合しているようです。特有の匂いがあります。硬化するとその匂いは消えるのですが、作業中・乾燥中のその匂いが気になります。私は長らくアウロ社のオイルを使っていましたが、その匂いが次第に文字通り鼻につくようになってやめました。クライデツァイト社のものは、硬化剤にテレピン(松脂)系のものを使っているようです。テレピンの匂いは、美術室のそれを思い出して嫌いでないし、オイル自体の粘度が他の2社より低く、扱いやすいことも気に入っている理由です。強度とか撥水性という意味では、いずれもそれなりに、としか言えません。ウレタン塗装とか拭漆とは比ぶべくもないと割り切るしかありません。

仕事と考えると、この程度のオイル塗装だけで、時間を潰すわけにはいきません。並行して、次の仕事の木取りをしていますが、拭き取りが前提のオイル塗装の場合、ウレタン塗装のように埃にシビアでないのも、我々小規模木工所向きと言えます。

ウォールナット+チェリーのテーブルににオイル塗装を施す

ウォールナット+チェリーのテーブルににオイル塗装を施す

水組 その2

組んでみました。今作っている小卓の端ばめと脚になります。これくらいなら、「水」の字と言ってもこじつけがましくないかな。

水組

水組

これが小卓のパーツです。

サイドテーブルのパーツ

サイドテーブルのパーツ

水組という組手を使った仕事をしています

今やっている仕事では、水組という組手を使っています。下の画像は、去年試しに組んでみたものです。実は、この組手どうやって組むのか図録や写真で見ても分かりませんでした。それで試しにやってみたのです。水組の呼称は、組手を角を視線の中心に見ると漢字の「水」の字に見えるという所から来ているそうです。

サンプルで作った水組

サンプルで作った水組

水組を使って見ようと思ったのは、意匠的な面もあってのことですが、サンプルを作ってみて分かったのですが、強度という面でも優れた点があります。具体的には、通常のたとえば7枚組よりも建築で言う降伏ヒンジという側面で大きな利点があるように思いますが、それは別の機会にします。

ホゾの部分は、治具を作って丸鋸盤で切りましたが、後の作業はひたすら鑿などの道具を使った手作業になります。手作業と言っても鉋かけのように全身を使ったものではありません。それでも続けていると身体がほてってきます。一見、動かしているのは腕だけのように思えますが、実はよく言われる腰をいれた状態で全身の筋肉を適度に使っているのかもしれません。

刻み終えた水組の部材

刻み終えた水組の部材

ちなみに、この組手は下のように互いに45°の状態を保ったまま角からずらすように組んでいきます。まあ、実際にやってみないと分かりづらいと思います。

水組の組み方

水組の組み方