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いいかげんフレームはやめにしましょう

フレームの弊害が様々に指摘されてきた事もあって、一時に比べてフレームを使ったサイトは減って来ているように思います。とりわけ、ある種の公共性とか社会性を持った企業のサイトではめっきり少なくなりました。これは、米国のリハビリテーション法・508条の影響もあるでしょう。理由はともあれ、良いことです。

門前払い

あなたがあるお店にいたとします。そこに、白い杖をついた人が入ろうとしています。すると、センサーが働き、この店は、盲人の方の入店をお断りしています。とアナウンスされます。それも、オーナー自身の声ではなく、出来合いの機械的な音声で・・・。

あるいは、別の店では、その存在さえ否定するかのような、沈黙と無視で迎ます。

もし、あなたがこうした状況に遭遇したら、どう思われるでしょう。もう、そんな店には二度と行かないでしょうし、そのオーナーに対して憎しみすら覚えるのではないでしょうか。しかし、あなたが市販のソフトを使って、フレーム分割のサイトを作って公開しているなら、あなたはそれと同じことをしているのです。

フレームはウエブの精神に反するもの

しかし、残念なことに、消費者にもっと近いはずの中小企業や個人営業のサイト、また、こうした問題に最も敏感でなければならないはずの労働組合、市民団体、NPOなどのサイトの多くが、相変わらずフレームを使った構成になっています。

見掛け上、二つのフレームに分割したものでも、最低三つのページを一つのウインドウに表示している事になります。この事自体、フレームがURLの一義性というウエブの優れた仕組みを阻害していることになります。この意味が分からない人は、そもそもフレームなど使わない方がよいでしょう。市販のソフトを使う場合、ワープロで段組を作るような感覚でフレーム分割のサイトが作れるのかもしれません。しかし、これを自分でソースを書いてみれば、その理不尽さが良く分かるはずです。

その事を承知の上で、なおフレームのサイトを作るなら、最低限、次のようにすべきでしょう。やはり、その意味すら分からない方は、お願いですからフレームなど使うのはやめて下さい。

  1. 全く同等のnoframesを用意すること
  2. 外部はもちろん、サイト内部のリンクであっても、<a href="hoge.html" target="_top">とすること

一つめは、フレームなどと言うアコギなものを使う以上、当然の義務だと思ってください。二つ目は、こうしてすべてのページでフレーム定義をし直しておけば、少なくともブックマークや外部からのリンクの混乱は避けれます。つまり、ここの例で言うと、いったん元のフレームを破棄して、hoge.htmlでフレーム定義を一からやり直す事になります。ただし、検索結果で、迷子のページがウジャウジャ引っ掛かるのは同じ事です。

その上で、なおかつ、今さらフレームを使うのは、先に見た某政権政党のサイトやアダルト・サイトなみにダサイと自覚しておいて間違いないでしょう。

問われているのは、あなたの見識

音声読み上げブラウザなどフレームに対応していないブラウザ(それが本来の姿ですが)では、最初にたどり着くのは、先の政権党のページで見たようなフレーム定義のページになります。それ自体は全くコンテンツ(内容)を持ちません。noframesを、別に用意して、初めてそれは意味のあるページになります。どうやら、多くの市販の製作ソフトを使うと、特に制作者が定義しない限り、フレーム対応のブラウザでご覧下さいと言った、慇懃無礼な、門前払いの決まり文句が、noframesとして勝手に挿入されるようです。おそらく、サイト制作者自身も見たことも、意識する事すらないのでしょう。しかし、結果的に、あなたのサイトを、音声読み上げブラウザで訪れたユーザーは、その出来合いの文句を聞かされる事になります。つまり、あなたのサイトは、一番先にあげたお店のようなものになっているのです。

それでも、私はフレームがカッコイイから使うと言うなら、それも仕方ありません。でも、それならせめて人に優しいとか、人間が好きとかいった手垢のついた下らない謳い文句を、あなたのサイトで使うのは、やめて欲しいと思います。

2003年9月21日、パソコン日誌に掲載。

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