改修前に置いてあったリンク集のページをいったん削除しました。リンク切れもあるし、自分自身興味がなくなって訪れることのなくなったサイトもあり、整理しようと思っていました。
もうひとつ、最低限の情報の汎用性(バリアフリー)の配慮とウエブの基本に対する理解・共感の姿勢のないサイトにリンクを張り紹介するのは、義理でもやめようと思いました。具体的には、フレームを使ったサイト、リンクを新しいウインドウで開くサイト、ナビゲーションに画像ボタンを使い代替えテキストのないサイトなどです。こうしたサイトについては、以前にも触れています。
もともと、フレームが大嫌いだったこともあり、以前のリンク集でもフレームサイトは1件だけでした。フレームサイトというロクでもないもの自体が減っているせいもあるでしょう。ただ、リンクを新しいウインドウで開くというのは、残念ながら多くのサイトが使っています。特に、木工関係はほとんど全滅です。この問題については、ウエブにおけるリンクに書いたとおりなのですが、また機会をあらためて触れたいと思います。
サイトごとに置かれているリンク集というのは、その管理者の部屋にお邪魔して本箱を覗かせて頂くような楽しみがあります。以前から、そして今も友人の部屋へ通されると、許しを得てその本棚を覗かせてもらいます。その人の過ぎこしやその中での思索の後が窺えるような気がして愉快です。そうした本棚で良い書籍に巡り合うように、他のサイトのリンク集の中から教えてもらった有益なサイトもたくさんあります。そうした意味で、自分のブックマークを公開するリンク集というのは、閲覧者にとっても興味深いものです。
ただ、現実には別の目的でリンク集が置かれている場合も多いように思います。Googleなどの検索サイトでは、あるキーワードについての検索結果の表示・その順番などに独自のランク付けの方法を用いているようです(Google の人気の秘密)。その際に、他のサイトからのリンクがそのサイトの支持投票
として重要な指標とされているようです。サイトのヒット数のアップを目指す管理者は、そのために検索サイトの上位ランク表示に必死になるようです。リンク集は、そのための担保と化しています。つまり相互リンク
と称して、自サイトへのリンク集めの手段としてのみ機能しているのです。そうしたリンク集は、網羅的に見えて一貫性や何らかの指向が見えるわけでもなく、重要で当然そのジャンルならあるべきサイトが挙げられていなかったりします。そうしたリンク集というのは、もはや自分のブックマーク集ではなく、自サイトへリンクを張ってくれたサイトの一覧でしかないわけです。なんの意味もありません。
私自身は、そうした事に興味を失いました。木工とか、家具、クラフトといったキーワードで検索されるサイトは、それこそゴマンとあります。そんな中で、検索結果の表示の上位を狙って、小手先の技を弄しても虚しいだけです。ヒット数アップのために、登録するようにと言う無償の善意のサイトからのメールも頂きますが、そのままにしています。それよりも、真面目にサイト自体の中身を充実させ、真面目に更新を重ねる事のほうが大事です。インターネットを通して問い合わせや、仕事を頂くことも増えました。現状でも、少なく見積もっても全体の三割くらいは、そうしてネットを通して頂いた仕事になっています。九州・四国から関東まで、お客様のお住まいの地域も広がりました。ご覧のように地味で、無名のサイトですが、真面目に仕事をしていれば、見ていてくれる人はちゃんといるし、そう言う人こそ大事にすべきだと確信しています。
他のサイトへリンクを張る事自体は、なんら著作権上の問題はないという事は定説になっているようです。事前事後の連絡・承認も法的には不要とされています。啓蒙の意味も込めてか、その事を明示的にコメントしているサイトもあります。
どなたであれ、当サイトのどのページにも自由にリンクしてください。
事前にも事後にも連絡は不要です。
潔いし、立場を明らかにするという点で立派だと思います。私自身は、そんな当たり前の事を今さらというのと、こんな弱小サイトでそうした言辞を弄するのは、滑稽に思えて、敢えてコメントしてきませんでした。
それと、このように事前事後連絡不要
とわざわざ断わるのは別の意図があるように思います。それは、煩わしいから、いちいちリンクしたと連絡してくるな!
と言う事でしょう。それは、善意でリンクしたと連絡してくれた人に、返信しないのは無礼かもしれないとか、こちらからも相互リンク
でリンクの張り返しをしなくてはいけないかなと、悩むのが煩わしいという事だと思います。言外の意を汲むと言うのは、麗しい私たちの文化であったはずです。心したいと思います。
こうしたリンクの自由とも言える思想が普及するのはたいへん良いことだと思います。ただ、中には滑稽なコメントをするサイトもあります。曰く
このサイトは、リンクフリーです。ただし、事前に連絡してください。
このサイトは、リンクフリーです。ただし、リンクはトップページにお願いします。
なんらかの留保条件とか、但書がつく場合、当然それはフリーだとは言いません。にも関わらず、敢えてこんな事を書いてみたくなるのは、他人をまねて、自分は進歩的で心の広い人間だという事を言ってみたかったのかもしれません。いずれにしろ、恥ずかしいですね。
以上の事をふまえて、誰でも、どんなブラウザからでもアクセス可能な私のブックマークを、あらためて整理して掲載したいと考えています。
2005年8月24日、工房日誌に掲載。