20年程前から、集めた(集まった)スピーカユニットを紹介します。もちろん自分で新品を買ったものもありますが、バブル時代に大型ゴミとして棄てられていた物、友人・知人からのもらい物など、色々です。最近では、内外のネットオークションで安物をウォッチしてます。ほとんどが、現在では生産中止で正規のルートでは入手困難なものですので、ジャンク!とさせて頂きます。
なるだけメーカー発表のカタログデータなどの一次資料を記載するように努めています。インプレッションに関しては、エッジ補修など改造を加えているものもありますし、古いユニットについては、オリジナルの状態を維持しているとも考えられません。たまたま、私の手元に残ったものを、記載してある装置や環境で再生した私的な感想として御了承下さい。
試聴に使ったソフトは別にまとめてあります。 試聴に使ったソフト
良く雑誌の記事にあるように、次々をユニットを取り替えて、あるソフトのサワリや短い曲を聴いて比較するような事はしていません。そんな事をしても、ほとんど無意味だと思うからです。
よほど我慢のならない物を除いて、最低一週間程、ながら聞きも含めて通常の聴き方をしています。音量も含めて、低音がどうの、歪みがどうの、さあ比べるぞと言った心持で音楽を聴いても楽しくありません。それに、つまらないオーディオの表面的な知識やゴミのような評論家の下らない言葉の受け売りによって自分の本来の嗜好が惑わされます。
スピーカーというのは、アンプやCDプレイヤーに比べてキャラクターの出やすいものです。ですから、交換すればその違いが誰にでも分かります。そのせいもあってか、切り替えて短い時間の比較試聴では、能率の高いもの、取りあえずレンジの広く聴こえるものが良い音に思えます。加えて、妙な癖や強調感のあるものも、それが、海外のブランドだと音楽性
やら、存在感
、訴えかけてくるもの
とか言った意味不明の言葉で納得しがちです。オーディオ雑誌を読みすぎるとこうなるように思います。しかし、毎日のように音楽を聴いて心地好いものと言うのは、また別です。長い間聴いていると、どこか歪みっぽい感じがして疲れる、あるいはながら聞きをしていて思わずボリュームを下げたくなる。こうした機械は音楽を再生していても、どこか疲れます。あげく、聴く事自体が億劫になり次第に使わなくなります。自分にとって、心地好いシステム・ユニットと言うのは、ながら聞きをしながら邪魔に感じない物、普通に聴いていて、つい音量を上げたくなるものと言う事になります。こういう言い方をすると随分消極的な、ミモフタも無いように思われるかもしれません。しかし、再生装置というのは、本来空気の振動として一度切り現われて消える音を、無理やり電気的に記録して再生しようとするインチキな仕掛けに過ぎません。出来れば黒子に徹してその存在を意識すらさせないのが理想でしょう。そう考えると、ちょっと聞いて「良い音」と感じた時は、その機械が妙な存在感を主張している場合が多く、逆にあぶない。ある程度時間、自分の聴き方でより嫌な音がしない、疲れない機械が良い機械だと言えます。
私が、音楽を聴くのは仕事を終えた夜、それも深夜に近い時間です。工房二階の八畳間和室です。工房のある場所は地目でいうと工業地帯なのですが、最近は周りの工場がドンドン潰れ一般の住宅が増えました。夜も9時くらいを過ぎると本当に静かになります。そうした中で、安物のウイスキーや焼酎をロックで飲みながら、極小音量で好きなディスクを聴いています。小音量というのは、これまでずっと大きな音をたてる事の出来る住宅環境になかったということもあるでしょう。ただ、そうした事情とは別に、若い頃から大音量の電気的再生音というのが、大嫌いでした。多少なりとそうした装置を使うジャンルのコンサートやライブと言うものをまともに聞き通した事はありません。義理や成り行きで出かける場合も、たいていは耳鳴りがして、頭が痛くなり途中で退席します。同じ理由でカラオケも大嫌いです。ただし、そうした機械を使わない酒席での高歌放吟は嫌ではありません。つい最近も統一地方選挙がありましたが、選挙カーの拡声器の音も我慢ならいものですが、政策を訴える手段としてなら仕方ない。仕事の手を休めても聞いてみようかと思います。ただし、意味のない候補者名の連呼は、石を投げたくなります。政策や公約の一言もなしに名前を連呼するだけの候補者には、私は絶対に投票しません。単なる騒音の撒き散らしです。
手元に実物かカタログのある16cmユニットのエンクロージャ制作に必要と思われる寸法をまとめました。
テクニクス・EAS-16F100がやや特殊ですが、他のユニットに関して言えば前面付け(中付け)の場合、140ミリの径で開口し、155か156ミリのピッチでM4の木ネジで取り付ければ汎用のバッフルが作れそうです。
表の備考
欄に、丸型
とある5つの機種は、フレームの外径部分の形状・寸法がほぼ同じで、後面(外)付けでフレーム落とし込みにしても付け替えが可能です。同様な事が、DIATONE P-160DAと、マツダ・OB-1091Bの2機種の間でも言えます。民生用、モニター用それぞれで、16cmユニットの共通の規格のようなものがあったのでしょうか。いずれにしろ、こうした汎用性は使用者にとっては、便利なものです。
ユニット | フレーム | 取り付けネジ穴 | 開口径 (カタログ値) |
ガスケット内寸 (実測値) |
備考 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
最外径 | 最内径 | ピッチ(センター) | 穴径(Φ) | 角度 | ||||
DIATONE P-160DA | 173 | 158 | 157 | 5 (+-1) | × | 145 | * | |
パイオニア PE-16M | 165 | 165 | 155 | 5 (+-1) | × | 146 | 145 | 丸型 |
パイオニア・P16-J | 165 | 165 | 155 | 4 | × | 130 | 145 | 丸型 |
パイオニア・PIM-16B | 165 | 165 | 155 | 5 (+-1) | × | * | 145 | 丸型 |
パイオニア・PAX-16F | 168 | 168 | 154 | 5 | + | * | 145 | 同軸 |
パイオニア・PAX-A16 | 195 | 180 | 155 / 185 | 5 | + | 130 / 172 | 143 | 同軸 |
テクニクス・EAS-16F100 | 180 | 162 | 160 | 4 | × | * | 140 | |
東芝・SP-6513A | 166 | 166 | 155 | 4 (+-1) | × | * | 144 | 丸型 |
マツダ・OB-1091B | 173 | 160 | 157 | 5 (+-1) | × | * | 145 | |
メーカー・型番不詳 | 165 | 165 | 155 | 5 | × | * | 145 | 丸型 |
CORAL FLAT-6 | 204 | 185 | 188 / 155 | 6 (+-1) | × | 170/177/143 | * |
注意) 取り付け穴の径の遊びは、いずれも直径方向のみ
2007年11月28日
手元に、実物かカタログのある20cmユニットのエンクロージャ制作に必要と思われる寸法をまとめました。
英国及び国産のユニットに関する限り、バッフルの内側から取りつける場合、ネジのピッチが193mmで統一されています。ガスケットの内寸もおおむね182mm程度です。ユニットを取り替えて遊ぶ場合、180mmの開口で、取り付け穴を193mmピッチで、45度間隔で空ければ、たいていのユニットは取りつけられます。
ユニット | フレーム | 取り付けネジ | ガスケット 内寸 |
コーン紙 外寸 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|
最外径 | 最内径 | ピッチ(外) | ピッチ(内) | 角度 | |||
コーラル・8CX-50 | 240 | 215 | 225 | 193 | × | 180 | 150 |
コーラル・FLAT8-2 | 249 | 226 | 229 | 193 | × | * | * |
パイオニア・PAX-A20 | 236 | 220 | 225 | 193 | + | 182 | 146 |
パイオニア・PAX-20F | 216 | 216 | 193 | 193 | + | 182 | 154 |
ナショナル・20PW09 | 208 | 208 | 193 | 193 | × | 182 | 162 |
ナショナル・20PX85 | 256 | 225 | 227 | 193 | × + | 182 | 150 |
R.A. New Golden 8T | 203 | 203 | 193 | 193 | + | 182 | 150 |
GOODMANS TWINAXIOM 8 | 206 | 190 | 193 | 193 | × | 167 | 140 |
2004年2月3日
同様に、25cmユニットについてまとめてみました。
こちらは、内外のユニットともばらばらで、汎用のエンクロージャとかバッフルというのは無理なようです。それにしても、おなじ25cmユニットと言っても、肝心の振動板の径は随分違うものだ思いました。
ユニット | フレーム | 取り付けネジ | ガスケット 内寸 |
コーン紙 外寸 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|
最外径 | 最内径 | ピッチ(外) | ピッチ(内) | 角度 | |||
コーラル・10CX-50 | 300 | 268 | 282 | 244 | × | 230 | 205 |
コーラル・FLAT10-2 | 303 | 277 | 281 | 240 | × | 226 | 198 |
パイオニア・PAX-A25 | 290 | 290 | 277 | 240 | + | 230 | 196 |
テクニクス・EAS-25PX70 | 300 | 300 | 277 | 277 | + | 226 | 192 |
ONKYOU CD-1000 | 258 | 258 | 244 | 244 | × | 230 | 200 |
Wharfedale SUPER10/RS/DD | 266 | 250 | 250 | 250 | + | 220 | 188 |
Stentorian HF1012 | 288 | 260 | 273 | 273 | × | 234 | 190 |
2004年2月3日